建設部会開催講演会/ベトナムの道路維持管理事業および都市鉄道行政アドバイザーの業務紹介

建設部会開催講演会/ベトナムの道路維持管理事業および都市鉄道行政アドバイザーの業務紹介

 建設部会ではベトナム国におけるJICA技術協力専門家の活動と業務紹介について各分野の専門家の方々と意見交換会を行っております。ベトナム国の将来が工業国・農業国いずれを選択するにもインフラ整備は必要であり、本稿では主要インフラである道路・鉄道・港湾・電力事業の中から2件の事業アドバイザー業務について、ご紹介致します。

「ベトナムの道路維持管理について」JICA専門家 松野講師(2015年11月30日)
 JICA技術協力事業「ベトナム道路維持管理プロジェクトフェーズⅡ」
 ベトナムでは、各所で著しい道路損傷が発生しており、交通安全など道路の維持管理上大きな問題となっています。このような背景から、2015年1月より同プロジェクトを実施し、効果的かつ効率的な道路の維持管理を行うための技術移転を実施しています。
 同プロジェクトでは、フェーズⅠの成果を引き継ぎ、いわゆる「予防保全型建設部会での講演会の様子既存施設の概況説明の様子(左側が講師)の舗装維持管理」すなわち、損傷が小さな段階から、比較的規模の小さい補修を行うことにより、ライフサイクルコストの縮減とサービスレベルの向上を両立させる維持管理手法に移行することを目的としています。


 具体的には、それを実現するために、路面性状調査の実施とその結果のデータベース化、分析を行うためのシステム構築、それを定着するための法令やガイドラインの整備、業務実施体制の提案等を同時に行うという野心的な取組です。
 プロジェクトは、2018年までを予定していますが、現在のところ大きな問題も無く、順調に進んでいます。ただし、重要なのは、何を作るかということではなく、それをどう使うかということです。今後、カウンターパートであるMOT(運輸省)のDRVN(道路総局)と十分な議論を行い、プロジェクト終了後にもきちんと活用される成果を引き渡したいとのことです。

「都市鉄道行政アドバイザーの業務について」JICA専門家 山﨑講師(2016年1月25日)
ハノイ都市交通への日本の協力(街を変えるモーダルシフト、都市鉄道整備)
 これまで有償資金協力による「ハノイ都市鉄道建設事業(1号線)」及び「同(2号線)」、「ホーチミン市都市鉄道建設事業(1号線)」の支援に加えて、「運営組織設立支援プロジェクト」が進められインフラ整備支援にソフト面での技術協力と組み合わせ相乗効果を図る事業が行われています。


 現在のベトナム鉄道法令は、国家鉄道(在来線)を念頭に置いて規定があり、新たに誕生する都市鉄道の「技術仕様」や「法的枠組み」に必ずしも整合化していないため、技術仕様と異なる条文の見直しに繋げる事を目的とし、政策アドバイザーとして業務を実施しています。
都市鉄道行政アドバイザー(2014年3月~)のこれまでの取り組み
 技術規準「運転と保守に係る技術規準・標準策定の為の情報収集・確認調査」の事前準備や実施支援。
 規則制定「運転に直接携わる係員の職制」、「運転免許試験の内容と手順」、「鉄道運転免許試験・免許証の発行・再発行・取り消しの管理」、「鉄道事故、輸送障害の処理」、「旅客、貨物の輸送」、「鉄道法施行細則」(24ヶ月補助運転士経験要件廃止)、以上の規則制定の支援と本邦研修を実施いたしました。

(建設部会2015年度部会長 上原 輝夫 りんかい日産建設株式会社)