会頭からのメッセージ

2018年度会頭からのメッセージ

2018年度会頭からのメッセージ

伊東

 ベトナム日本商工会議所(JCCI)は、ベトナム北部地域を主たる事業基盤とする日系企業約700社により構成される組織で、会員相互間の交流と親睦、並びに日越両国の親睦・文化交流を図ると共に、両国間の通商・経済協力の促進に寄与することを目的とした活動を行っております。
 当会議所は、1992年に「ハノイ日本商工会」として26社で発足しました。その後ベトナム政府から、「ベトナム日本商工会(JBAV)」として正式認可を取得し(1998年)、「ベトナム日本商工会議所(JCCI)」への名称変更(2018年4月)を経た現在、ホーチミン及びダナン日本商工会議所を含めたベトナム全土ベースでは、総勢1,780社と東南アジア最大の会員数を誇る規模にまで成長致しました。当会議所は、歴代の会長・執行部、そして会員企業の皆様のご苦労・ご功績の上に成立っております。拠って、此れまでの基本活動方針につきましては、本年度も踏襲して参りたく存じます。
 一方、私たちを取巻く政治・経済環境は、近年大きく変化を遂げております。即ち、米国が“覇権国家”としての地位を放棄し、その “力の真空状態”を埋めるかの様に、アジアでは中国が“地域覇権国”として振舞い始め、所謂、“覇権多極化”の様相を呈し始めています。アジアを主要な事業・経済基盤とする私たち日本にとり、このベトナムという国の地政学上に於ける重要性が、近年益々大きくなっているのは、疑う余地のないところかと思われます。
 こうした外部環境の下、当会議所では、本年度の活動方針を以下の通り、大きく4つ掲げます。
 
第一に「ベトナムの事業環境・投資環境の魅力度向上」です。
 ご高承の通り、昨年のFDI承認金額は、複数の大型案件の寄与をもって、日本が栄えある第一位に返り咲きました。他方ここ数年来、韓国勢によるベトナムへの投資・進出は継続的に伸長しており、大きな存在感を示しているのは否めないところであります。ベトナムにとっての日本の重要性が常に上位に維持されるためには、我々日本企業にとってのベトナムの事業・投資環境の魅力度が一層向上するよう、ベトナム政府に強く働きかけ、既存事業の拡大、そして新規投資の誘致に繋げていくことが肝要かと考えます。
 そのため、事業環境委員会等を通じ、会員企業の皆様が直面する課題を採り上げ、対応方針を鋭意検討して参ります。そして越政府との複数の対話チャネル(日越共同イニシアティブ、Vietnam Business Forum、行政手続改革評議会、日越政府要人の往来訪、等)を通じ、政府に対して有効に改善を働きかけ、進捗のフォローアップを、粘り強く行って参る所存です。
 
第二に「ベトナムに於ける“日本”のプレゼンス向上」です。
 先述した韓国の存在感の件とも関連致しますが、ベトナム貿易大学等の外国語学科に於いて、昨今は韓国語が日本語を上回る人気度を示しています。また音楽やファッションなどを始めとする韓国カルチャーのベトナムの若者への浸透も相当程度進んでいるのも事実です。我々の様々な事業推進の観点で、こうした民衆レベルの文化交流面においても、日本ファンを増やしていく私たちの地道な行動、即ち日越関係深化への貢献活動が必要ではないかと考える次第です。
 奇しくも本年は日越外交関係樹立45周年の年です。各種社会貢献活動と併せ、ベトナム人の“親日派”を着実に増やすことに加え、「何となく親しみはあるが、実は日本のことは余り良く知らない」という層を、“知日派”へとランクアップさせる、そうした活動に繋げることが出来ればと考えています。
 
第三に「邦人生活環境の維持・向上」です。
 言うまでもなく、我々自身並びに帯同家族の安心・安全が、私たちの全ての活動の基本です。最近ですと環境問題、大気汚染の問題も看過できません。こうした面でも、能動的に活動を行って行きたいと考えます。
 
最後に、「当会議所の活動のあり方・方向性の検討」です。
 事業環境・投資環境改善に向けた課題が山積し、そして5年後には日越50周年を迎える状況の下、当会議所の活動内容、そしてそれを支える体制・予算運営についても、そのあり方・方向性を、1年間確りと議論をさせて頂きたいと考えます。
 以上、皆様からの負託に確りとお応え出来るよう、執行部一丸となり、誠心誠意、当会議所の運営に邁進して参りますので、何卒、宜しくご支援の程、お願い申し上げます。

ベトナム日本商工会議所 2018年度会頭

伊東 浩治